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サーチコンソールのデータは16ヶ月で消える — 消える前にやるべき保存設定

公開: 2026-08-23

Google Search Console(サーチコンソール)を開いて、去年の同じ時期と比べようとしたら、その期間が選べなかった——。

これは珍しい話ではありません。実際にブログを運営している方が、自身のブログで「過去データが消えてしまった経験があります」と書いています(Googleサーチコンソール・GA4・AdSenseのデータ保持期間まとめ|Toma(とま)のゲーム日記)。同じ記事では、その経験からBigQuery連携を必須の運用にしている、とも述べられています。

英語圏でも同じことが言われています。SEOツールを提供するDadSEOは、16ヶ月を過ぎたデータについて「once it's deleted, there's no getting it back」(消えてしまえば、取り戻す方法はない)と書いています(Google Search Console Data Retention|DadSEO)。

これは特定のツールの都合ではなく、Googleが定めた仕様です。Googleの公式ヘルプにも「Search Console では、過去 16 か月間のデータが保持されます」と明記されています(Search Console を Google アナリティクスに接続する|アナリティクス ヘルプ)。16ヶ月より古いデータは、Google側から削除されます。バックアップは残りません。問い合わせても復元されません。

サーチコンソールを長く運営している人ほど、この仕様に一度はぶつかります。それでも知られていないのは、気づく機会がほとんど無いからです。サーチコンソールは毎日きちんと数字を出し続けるので、何かを失っている感覚がありません。失ったことに気づくのは、たいてい「去年と比べたい」と思った瞬間です。そのときにはもう手遅れです。

この記事では、まず16ヶ月の仕様を正確に確認し、そのうえで今すぐできる保存方法を難易度順に4つ、出し惜しみせず紹介します。あわせて、それぞれの限界と、どの方法を使っても取り戻せないものについても正直に書きます。

事実: サーチコンソールの検索データは16ヶ月で消える

サーチコンソールの検索パフォーマンスレポートで期間を遡っていくと、約16ヶ月前で選択できなくなります。これはバグでも表示上の制限でもなく、Googleが定めたデータ保持期間です。

消えるのは、SEOの振り返りで最もよく使う4つの数字です。

  • クリック数
  • 表示回数
  • CTR(クリック率)
  • 平均掲載順位

そしてこれらは、クエリ別・ページ別・国別・デバイス別といった切り口ごとに保持されています。16ヶ月を過ぎると、その切り口ごとまとめて参照できなくなります。

自分のサイトの境界は、30秒で確認できる

この記事を読みながら、実際に確かめてみてください。

  1. サーチコンソールで対象のプロパティを開く
  2. 左メニューの「検索パフォーマンス」→「検索結果」を開く
  3. 上部の期間フィルタをクリックし、「過去16か月」を選ぶ
  4. さらにその下の「カスタム」で、開始日をもっと前に設定してみる

16ヶ月より前の日付は、そもそも選べません。 カレンダー上でグレーアウトしているか、選んでも警告が出ます。ここが自分のサイトの「窓の端」です。

そして重要なのは、この端が明日には1日ぶん前へ動くということです。今日見えている最も古い日のデータは、明日には見えなくなります。

「あとで見よう」が効かない唯一の理由

多くのツールは、あとから遡って取得し直せます。順位計測ツールも、アクセス解析も、「今日から計測を始めれば今日以降のデータは貯まる」という点は同じですが、過去に遡れるかどうかが決定的に違います。

サーチコンソールのデータは、Googleが消したら終わりです。どこにも控えがありません。 これは「早めにやったほうがいい」という程度の話ではなく、期限のある話です。今日時点で16ヶ月前のデータは、明日には15ヶ月と29日分になっています。窓は毎日1日ずつ、前に進みながら後ろを削っていきます。

Google側の不具合という、もうひとつの理由

もうひとつ、自分でデータを持っておく理由があります。サーチコンソール自体も、完璧ではないということです。

表示回数が実態と合わない、レポートの更新が数日単位で止まる——こうした不具合や遅延は実際に起きています。Googleは起きた事象を告知して修正しますが、その期間の数字が後から正確に埋め直されるとは限りません

このとき、自分の手元に独立したデータがあると、状況がまったく変わります。「Googleの画面がおかしいのか、自分のサイトに何かあったのか」を、自分の記録と突き合わせて切り分けられるからです。手元に何も無ければ、Googleの画面を信じるか疑うかの二択しかありません。

今すぐできる保存方法(難易度順に4つ)

ここからは実際の保存方法です。**簡単な順に並べています。**上から読んで、自分が続けられそうなところで止めてかまいません。

大事なのは、完璧な仕組みを作ることではなく、今日から何かが貯まり始めることです。何もしないまま検討を続けるあいだにも、窓は前に進みます。

1. 手動エクスポート(CSV / スプレッドシート)

最も簡単で、今日5分でできます。

  1. サーチコンソールの「検索パフォーマンス」を開く
  2. 期間を「過去16ヶ月」に設定する
  3. 右上のエクスポートから、CSVかGoogleスプレッドシートを選ぶ
  4. クエリ・ページ・国・デバイス・検索での見え方のタブごとに書き出される

これでとりあえず、今この瞬間にサーチコンソールが持っている分は手元に残ります。まず1回やっておく価値は非常に大きいです。何も無い状態と、16ヶ月分がある状態では、半年後の選択肢がまるで違います。

エクスポートすると、画面上のタブがそのままシートになります。クエリ、ページ、国、デバイス、検索での見え方が、それぞれ別のシートに分かれて出てきます。日付を含めたい場合は「日付」タブも合わせて書き出しておくと、あとで期間をまたいだ比較ができます。

ただし、ここには1,000行の壁があります。エクスポートされるのは各タブの上位1,000行までで、それより下は含まれません。実際には数千・数万のクエリで表示されているサイトでも、手元に残るのは上位1,000行だけです。

これは「上位1,000件あれば十分だろう」という話ではありません。サイトによっては、クリックの多くが1,000行より下の長い裾野から来ています。上位1,000行だけを残すと、その裾野が丸ごと記録から抜け落ちます。あとから「あのとき何で流入していたのか」を調べようとしたときに、いちばん知りたい部分が無い、ということが起こります。

規模の実例があります。ホームページ制作会社のYCOMは、自社サイトについて「3万件以上あって、そのうちたった1000件しか表示されていない」と書いています(GoogleスプレッドシートでSearchConsoleの上限1000件を超えて全てのデータを取得するための方法|YCOM)。同記事は、この上限には通知が無いため超えていることに気づきにくい、とも指摘しています。

それでも、やらないより圧倒的にましです。 上位1,000行でも、あるのと無いのとでは違います。まずは1回やってください。

2. スプレッドシートに自動保存(GAS)

手動エクスポートの弱点は、続かないことです。毎月1日に必ずやると決めても、たいてい3ヶ月目くらいで抜けます。

これを自動化する定番が、Googleスプレッドシートと GAS(Google Apps Script)の組み合わせです。スプレッドシートに紐づくスクリプトからSearch Console APIを呼び、取得した行をシートに追記していきます。時間主導トリガーを設定すれば、毎日決まった時刻に自動で走ります。

  • 費用はかかりません(Googleアカウントの範囲内で動きます)
  • サーバーを借りる必要もありません
  • 取得した行をそのままスプレッドシートで並べ替え・集計できます

設計で1点だけ気をつけると、後から効いてきます。シートを上書きせず、日付を持たせて追記していくことです。「最新の16ヶ月を毎回まるごと書き直す」形にしてしまうと、16ヶ月より古い行はシート上からも消えていきます。それでは自動化した意味がありません。日付列を持たせ、取得した日のぶんを下に足していく形にしておけば、シートの側に履歴が積み上がっていきます。

自動化としては最も入りやすい選択肢で、多くの人にとって現実的な着地点です。

補足: Looker Studio に繋いでも、保存にはなりません

よくある誤解を先に潰しておきます。Looker Studio(旧データポータル)にサーチコンソールを接続しても、データは保存されません。

Looker Studioのサーチコンソール コネクタは、グラフを表示するたびにGoogle側へ問い合わせて、その場でデータを取ってきています。Looker Studio自身がデータを溜め込んでいるわけではありません。 そのため、16ヶ月を過ぎた期間を指定しても、Googleに無いものは表示できません。

きれいなダッシュボードが常時見えていると「これで蓄積できている」と感じやすいのですが、見えているのは毎回Googleから取り直した最新の16ヶ月です。表示と保存は別物だと考えてください。保存したいなら、この記事の1〜4のどれかで、自分の手元に落とす必要があります。

3. Search Console API を直接使う

1,000行の壁の外側まで扱いたい場合、Search Console APIを直接呼ぶ方法があります。画面やエクスポートの1,000行制限は画面側の制限であって、APIには別の考え方が適用されるためです。1回のリクエストで返せる行数には上限がありますが、開始位置をずらしながら繰り返し呼ぶことで、APIで取得できるすべての行を順に取り出せます。

  • クエリ×ページの組み合わせなど、画面より細かい切り口で取れます
  • 取得したものを自分のデータベースに貯めれば、期間の制約から解放されます

一方で、Google Cloud プロジェクトの作成、OAuth認証の設定、ページング処理の実装が必要になります。プログラムを書く前提の手段です。

4. BigQuery バルクエクスポート

Googleが公式に提供している、唯一の全量エクスポート手段です。サーチコンソールの設定から一括データエクスポートを有効にすると、以後の検索パフォーマンスデータが毎日BigQueryのテーブルに書き出されていきます。

これが他の3つと決定的に違うのは、次の2点です。

  • APIでは行として取得できない匿名化クエリも、行として存在します(中身の検索語は見えませんが、規模を集計できます)
  • 大規模サイトでも取りこぼしなく、完全な全量を受け取れます

データを本気で扱うなら、これが最も強い選択肢です。

ただし前提があります。設定にはGoogle Cloudプロジェクトと課金アカウントが必要です。そしてBigQueryは従量課金です。データを保存している量に対する料金と、クエリで読んだ量に対する料金がかかります。無料枠はありますが、扱うデータ量とクエリの書き方によって請求額が変わるため、「毎月いくらか」が事前に読みにくいという性質があります。

もうひとつ、見落とされやすい点があります。バルクエクスポートは、有効にした日から先のデータしか書き出されません。 過去に遡って埋めてはくれません。つまりBigQueryを選ぶ場合も、「設定を終えた日」が起点になります。検討している期間はデータが貯まらないので、ここでも早さがそのまま量になります。

そして、貯めたデータを見るにはSQLを書く必要があります。テーブルは日付で分割された形で作られ、必要な期間を指定して読み出します。BigQueryは優れた仕組みですが、個人や小規模サイトの運営者にとっては壁が高いのも事実です。

それぞれの限界(正直に)

4つとも実際に使える方法ですが、それぞれ違う形で詰まります。導入する前に知っておいたほうがよい点をまとめます。

方法費用必要な知識主な限界
手動エクスポート無料不要続かない。各タブ上位1,000行まで。やり忘れた月はその月ごと空く
スプレッドシート+GAS無料スクリプトの設置動かなくなったときに自分で直す必要がある。エラーに気づかず数週間止まっていることがある。シートの行数が増えると重くなる
Search Console API無料プログラミング・OAuth認証とページングを自分で実装・保守する。貯める先も自分で用意する
BigQuery バルクエクスポート従量課金SQL・Google Cloud の設定設定のハードルが高い。費用が事前に読みにくい。見るたびにSQLを書く

とくに見落とされやすいのが、**2番目の「気づかず止まっている」**です。自動化した仕組みは、動いているあいだは何も言ってきませんが、止まったときも何も言ってきません。GASのトリガーが権限エラーで止まっていたことに数週間後に気づく、というのはよくある話です。そしてその期間のデータは、16ヶ月の窓の中ならまだ取り直せますが、窓を出ていたら取り直せません

迷ったときの選び方

技術的な難易度ではなく、自分が何をしたいのかで選ぶと決めやすくなります。

  • とにかく今日、何か残したい → 1(手動エクスポート)。今すぐやってください
  • 手を動かさずに貯め続けたい → 2(スプレッドシート+GAS)。ただし止まっていないかを時々見る必要があります
  • 1,000行の外側まで自分で扱いたい → 3(API)。プログラムを書ける人向け
  • 大規模サイトで、取りこぼしなく全量が要る → 4(BigQuery)。公式にはこれ以外の選択肢がありません

そして、1と他を組み合わせるのが現実的です。自動化を組む日まで何もしないのではなく、今日1回手動で書き出しておけば、その時点の16ヶ月分は確保できます。自動化はそのあとから被せれば済みます。

どの方法でも取り戻せないもの

ここまで4つの方法を紹介してきましたが、どれを選んでも変えられないことがあります。

接続時に遡れるのは、その時点でサーチコンソールに残っている最大16ヶ月分までです。それより前に消えたデータは、どのツールでも取り戻せません。

これはツールの性能の問題ではありません。Google側にもう存在しないものは、誰にも取り出せません。有料のSEOツールでも、この記事で紹介した4つの方法でも、そしてサチモリでも同じです。「過去のデータを復元します」と言えるサービスは存在しません。

裏を返すと、結論はとてもはっきりしています。

保存は、早く始めた分だけ得をする。

今日始めれば、今この瞬間に残っている16ヶ月分と、これから先のすべてが手元に残ります。半年後に始めれば、今日から半年分の古い側は、始める前に消えています。悩んでいる時間そのものが、失うデータの量になる——これがこのテーマの特殊なところです。

まずは手動エクスポートを1回やってください。それだけで、今この瞬間の16ヶ月分は確保できます。自動化はそのあとで考えても間に合います。

この手間をなくすツールを開発中です

ここまで読んでいただいて分かるとおり、サーチコンソールのデータを残し続けるのは、やろうと思えばできるけれど、続けるのが難しい作業です。無料の方法は手間がかかり、強力な方法は技術と費用の壁があります。

この部分を引き受けるサービスとして、サチモリを開発しています。

  • Googleアカウントで接続すると、サーチコンソールのデータを毎日自動で保存します
  • 接続時には、その時点でサーチコンソールに残っている過去のデータ(最大16ヶ月分)も遡って保存し、以後は無期限に蓄積します
  • 接続後すぐに保存が始まり、進捗が表示されます
  • 接続は読み取り専用の権限のみで行います

「今日繋げば、16ヶ月+これから無期限」という形になります。SQLもスクリプトも必要ありません。

そして、この記事に書いたとおり、接続より前に消えたデータはサチモリでも取り戻せません。だからこそ、この記事で紹介したどの方法でもいいので、まず今日から何かを貯め始めることをおすすめします。

現在開発中で、サチモリ(サーチコンソールデータ保存・監視サービス)では事前登録を受け付けています。

よくある質問

消えたデータは復元できますか?

できません。16ヶ月より古い検索パフォーマンスデータはGoogle側で削除されており、Googleにも第三者のツールにも復元手段はありません。サチモリのようなデータ保存サービスも例外ではありません。接続時に遡れるのは、その時点でサーチコンソールに残っている最大16ヶ月分までです。それより前に消えたデータは、どのツールでも取り戻せません。

16ヶ月経つとすべて消えますか?

すべてではありません。16ヶ月の保持期間が適用されるのは検索パフォーマンスレポートのデータ(クリック数・表示回数・CTR・平均掲載順位)です。インデックス作成レポートやページエクスペリエンス関連のレポートは、それぞれ別の考え方で表示されます。ただし、SEOの振り返りで最もよく使う数字は検索パフォーマンスに集中しているため、実務上は「16ヶ月で消える」と考えて備えておくのが安全です。

どの保存方法が一番よいですか?

目的によって変わります。まず何か残したいだけなら、今日から手動エクスポートを始めるのが最短です。無料で自動化したいならスプレッドシートとGASの組み合わせ、1,000行の壁の外側まで扱いたいならSearch Console API、超大規模サイトで完全な全量を扱いたいならBigQueryバルクエクスポートが唯一の公式手段です。どれも一長一短で、続けられる方法が一番よい方法です。

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